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《お薦め漫画-1》カムイ伝

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小学館から白土三平「カムイ伝全集」が出る。

 欲しい、しかし高い。全38巻47880円である。

 学生の頃「ガロ」に連載されているのを読んだのが初めである。「つげ義春」も読んだことを思い出した。

 そうやって、漫画談義になるときりがないので「カムイ伝」に戻る。

 徳川時代の話である。非人部落に生まれたカムイが忍者になり、そこからも脱出して、抜け忍となり、差別と向き合っていく、という身分制度を扱った非常にヘビーな物語である。

 もちろん、いくつかのどんでん返し、さまざまな視点が提示されていく。

 劇画調のタッチは苦手であるが、ギリギリのところで踏みとどまり、独特の効果をあげている。

 社会派の作品が大嫌いな私でも惹き付けられていくのは、安易に善悪をきめつけることなく、事実を必然として受けとめる、その抑制された感覚が好ましいからである。

 第二部が現在も断続的にビックコミックに連載中であり、白土三平氏は第3部を構想中だという、死ぬまで描き続けて欲しいものだ。
 
 完結しない方が「カムイ伝」らしいかもしれない。

 とりあえず、書店で実物を手に取って、それから買うかどうか決めることにしよう。