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折々のうた

 朝日新聞の一面に連載されていた大岡信さんの「折々のうた」が最終回を迎えた。29年間、6762回続いたそうである。長期間、これだけ続けるということの大変さを思うと感嘆の言葉しか浮かばない。人並み以上の才能と努力があってのことであろう。

 最終回は江戸時代の女性俳人、田上菊舎の 「こも着ても好きな旅なり花の雨」 であった。

 乞食のような漂白の人になっても好きなことをしたい、そこにこそ風流や、楽しみが一杯である。

 最近定年間近になると周囲の人たちが何を求めて生きているのかが、何となく見えてくる。勿論自分に対しても例外ではないのだが。

 どれが良いとか優れているとかいうのではなく、どれも一局の碁、一編の小説、映画であるというだけなのだが、私の趣味は、やはり「こも着ても好きな旅なり花の雨」 に近いのだと思う。贅沢をいえば、共に《花の雨》を楽しんでくれる人(男女を問わず)がいてくれれば最高であるのだが…。
by coolkai | 2007-04-05 22:53